群馬県東北部山村住民の腰痛に関連する日常生活要因
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概要
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群馬県泉北部山村住民の腰痛発症の現状とそれに関連している日常生活要因について検討することを目的に、群馬県K村在住の40歳〜69歳の全住民2,373人を対象に質問紙調査を行った。保健推進員56名がアンケートの配布・回収を行い、1,638人より有効回答が得られた(回収率69.0%)。その結果、612人(37.4%)に腰痛がみとめられた。そのうち腰痛を引き起こす内臓疾患のある者、交通事故やけがで腰を痛めた者を除いた1,489人について、腰痛発症と日常生活要因との関係を調べた。対象の背景、職業経験、日常生活動作、普段よくする姿勢、日常生活習慣に関する要因の項目間で腰痛ありの割合に有意差がみられたのは、「年齢階層」、「急性腰痛の経験」、「ストレス」、「長時間腰をかがめる仕事の経験」、「重量物の取扱い、運搬〔仕事〕」、「重量物の取扱い、運搬〔日常生活動作〕」、「横座りをする」、「足を組んで座る」、「猫背である」、「横向きに寝ながらテレビ雑誌を見る」であった。また、多重ロジスティック回帰モデルでは、「腰痛あり」の関連因子として、「急性腰痛の経験」、「ストレス」「年齢(40歳〜49歳)」「長時間腰をかがめる仕事の経験」、「重量物の取扱い、運搬〔日常生活動作〕」の5因子が抽出された。 40歳台は他の年代と比べて腰痛ありの者が多く(37.5%)、農業や屋根の雪下ろしなど、K村に特徴的な就労や日常生活の場面で腰に負担をかけていることが予測された。また、急性腰痛のエピソードやストレスと、腰痛との関連が認められたことから、地域保健と産業保健の領域が連携し、住民ならびに特定の職業従事者のための腰痛対策が必要である。また横座りなどの姿勢と腰痛との関連がみとめられたことなどから、保健センターや住民の自主的な活動による地域住民を対象とした腰痛予防のための知識の普及が期待される。
著者
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矢島 正榮
群馬パース大学
-
小林 亜由美
群馬パース学園短期大学
-
小林 和成
群馬パース学園短期大学
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桐生 育恵
群馬パース大学保健科学部
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梅林 奎子
群馬パース大学保健科学部
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梅林 圭子
群馬パース学園短期大学
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梅林 奎子
群馬パース大学保健科学部看護学科
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桐生 育恵
群馬パース大学保健科学部看護学科
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星野 市子
片品村健康管理センター
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大滝 広子
順天堂大学医学部付属順天堂浦安病院
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岡村 汐美
労働衛生医学協会
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田中 由加
伊勢崎市民病院
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松本 有加
日本鋼管病院鶴見保健センター
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三輪 杏子
県立新発田病院
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小林 亜由美
群馬パース大学 保健科学部看護学科
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矢島 正栄
群馬パース大学保健科学部看護学科
-
小林 和成
群馬パース大学
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