エキスパート・コンディショニング・コーチのコーチング観

概要

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本研究の目的は、エキスパート・コンディショニング・コーチのコーチング観を分析することである。本研究は、半構造的インタビューによる定性的データ収集・分析により進められた。インタビューデータは、117のミーニングユニットに分類された。さらに、類似するミーニングユニットをグループ化することによって8つのサブカテゴリーが形成された。最終的に、(1)モーティベーション、(2)心的環境、(3)個人特性の3つの大カテゴリーが形成された。本研究により次の3点が明らかにされた。第1に、選手のモーティベーションを高めるためには、選手が楽しくトレーニングできるように練習方法を工夫し、時には選手と同じ練習メニューをこなして選手の競争意識を刺激している。また、トレーニングの効果を選手に確認させ、トレーニングの意義を説明することにより、選手自身がコンディショニング・トレーニングの必要性を認識できるように指導している。第2に、トレーニング、及び試合に対する選手の精神的なコンディションを高め、維持するために、選手と信頼関係を築き、選手が最善のパフォーマンスを発揮できる環境を用意し、選手をリラックスさせることに、エキスパート・コンディショニング・コーチは努力を費やしている。第3に、技術レベル、理解力、及び身心のコンディションは、個々の選手により大きく異なる。そのため、エキスパート・コンディショニング・コーチは、選手のコンディションとレベルの変化に臨機応変に対応しながら選手に携わっている。こうしたコンディショニング・コーチの取り組みの中で選手は技術ばかりでなく、コンディショニング・トレーニングにも集中して取り組むことになる。エキスパート・コンディショニング・コーチは、上記のような方法で選手の心理的コンディションを高め維持した上で指導を行っている。コンディショニング・コーチは、コンディショニング・トレーニングの指導だけでなく、むしろ、選手の心理面への支援・ケアという面で大きな役割を果たしている点が明らかにされた。
東北大学の論文

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