リカードウ『原理』第27章の研究(田崎三郎教授 洲浜源一教授 退職記念号)
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概要
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本稿は、リカードウ『原理』第27章「通貨と銀行について]を検討したものである。イングランド銀行券の兌換再開をめぐる"地金論争"に端を発した"通貨・銀行論"は、"価値・資本蓄積論"と並ぶ生涯にわたるリカードウの中心テーマであった。第2〜4節で解読を試み、「通貨の原理」を構成する諸概念、「よく規制された紙幣」の制度形成、金銀の鋳造比率と市場比率の乖差を通しての「本位」の動態的決定論、が析出された。第5節では、リカードウ通貨論はスミスとともに"貨幣数量説"とは一線を画していること、「鋳造手数料」の例示に見られるように「国家」が紙券の名目的価値の根拠となっていること、リカードウには経済主体に外的選択規準を与え「経済」事象を顕現させる「法」的な領域が固有に存在していること、が考察された。
著者
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