リカードウ『原理』第24章の研究
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概要
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本稿は、リカードウ『原理』第24章「土地の地代に関するアダム・スミスの学説」を検討したものである。同章は、第32章「地代に関するマルサス氏の意見」とともにリカードウ"地代論"の補論章を構成しているが、夥しいスミスからの引用を通してリカードウ理論の主題が垣間見えてくる。第2節で解読を試み、地代ゼロの最劣等地の存在問題・鉱山地代論における優等地規定・改良と地主の利益の関連・穀物輸入と穀物価格論、という諸論点が析出された。また第3節では、(1)"資本蓄積論"との関連でスミス"外国貿易論"との相違、(2)"地代論"の中軸に位置する「相対的豊度」概念が「土地」でなく「資本」という社会的実態との相関概念であること、(3)借地期間の満了とともに地主の所有権下に移る「異常な利潤」が「所有」問題へのリカードウの理論的関心を示していることが、それぞれ剔出・展開された。
- 尾道大学の論文
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