『原理』におけるリカードウのセイ評価
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概要
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J.B.セイは、リカードウの『原理』においてスミスと並ぶ大きな位置づけを与えられている。本橋は、リカードウのセイヘの論及箇所の検討を通して、リカードウ理論の逆照射を試みたものである。(二)と(三)では「書簡」と『原理』におけるセイヘの言及が摘出・吟味され、主要論点が「価値論」と「資本蓄積論」に収斂することが確認される。(四)では、"富と価値の区別論"と"資本過剰否定論"として展開される上記二論点が、リカードウにおいては"社会的剰余"概念によって関連づけられた、という試論が展開される。(五)ではリカードウとトラワの「書簡」が検討され、「私的利益」を原理とするセイの「企業家」概念へのリカードウの高い評価が取り出される。「価値論」における異質性を含みつつも、リカードウのセイ評価は、スミスに対するリカードウ「資本蓄積論」の特異性を際立たせてくれると言えるだろう。
- 尾道大学の論文
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