リカードウ『原理』第21章の研究
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概要
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本稿は、リカードウ『原理』第21章「蓄積の利潤と利子への効果」を、スミスおよびセイと対比して、また先行諸章の論脈を辿る中で、検討したものである。リカードウの"資本蓄積論"はスミス"資本過剰論"を批判し、利潤率の永続的低落は穀物価格上昇による賃金上昇なしには生じえないことを主張したものだが、"外国貿易論"を内包した"投資構造論"であることによって"制度転換論"を展開させていること、その際、スミスとは異なるリカードウの独特な「資本」概念が読み取られうること、が論じられた。またこれまであまり取り上げられることのなかったリカードウの"利子論"についても、テキストの精読とセイ"利子論"との対比の中から、リカードウが、利子率は究極的には利潤率によって規定されるとしながらも、利子率の一時的変動・分散という固有の貨幣的空間に独自の着目をしていたこと、が剔出された。
- 尾道大学の論文
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