小・中・高校生の「水中の生物の体のしくみやその生態を調べる行動意欲」の規定要因に関する研究
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概要
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現代は地球温暖化や廃棄物等による影響が論議されており,よりより環境を改善するためには地球環境に配慮した科学技術の開発とより一層の人材育成が必要である。理科教育においても児童・生徒が科学技術に関する知識や技能を獲得するだけではなく,教師は自然と陸上・水中の自然環境を主体的に調べる活動を指導し,児童・生徒が科学技術と地球環境の関わりを考え,それらを適合させる態度を育成することが重要である。この態度の重要な要素の1つとして行動意欲がある。しかし,これまで水中の生物の体のしくみやその生態を調べる行動意欲を規定する要因とその規定力については明らかにされていない。小学5年生343名,中学2年生276名,高校2年生191名を対象とした質問紙調査の結果,次の点が見い出された。(1)小学5年生,中学2年生,高校2年生ともに,水中の生物の体のしくみやその生態を調べる行動意欲を規定する最も大きな要因は,水中の生物の体のしくみやその生態に関する知的欲求である。他に小学5年生においては解剖方法に関する知的欲求,水族館での観察体験,水中の生物の体のしくみやその生態に関する知識・理解の意識の3つがあり,中学2年生においては,水中の生物やその生態に関する家族や地域の人々による意図的・無意図的教育,自然体験の2つがある。(2)水中の生物の体のしくみやその生態を調べる行動意欲の規定要因は,学年上昇とともに水中の生物の体のしくみやその生態に関する知的欲求へ収斂される。(3)水中の生物の体のしくみやその生態を調べる行動意欲は,学年上昇とともに減退する。その原因は,学年上昇とともに低下する水中の生物の体のしくみやその生態に関する知的欲求にある。
- 日本理科教育学会の論文
- 2007-03-31
著者
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