自発的な動きの乏しい重度・重複障害児の対人的相互交渉の成立について(実践研究特集号)

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
本研究は、重度・重複障害児の対人的相互交渉の成立過程について、運動発達、認知発達、社会性の発達を促すための「太鼓遊び」において検討することを目的とした。全盲で、重度の肢体不自由、知的障害をあわせもつ子どもを対象とし、「太鼓遊び」を実施した。ここでの「遊び」とは、子どもと指導者が個別対応で、子どもと指導者との相互交渉を重視し、子どもの自発的な動きを促すために、音や声、動きで働きかける指導である。指導の経過から、子どもが腕や頭を自発的に動かすことが増え、指導者の働きかけに注意し、応じる行動が増加したことが示された。重度・重複障害児の「太鼓遊び」において、対人的相互交渉の前提と考えられる「関心やテーマの共有」と非視覚活動としての共同注意について、さらに相互交渉を展開していくために、指導者が子どもの体験を推測することとその援助のあり方について考察した。
2001-03-31

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク