聾精神遅滞者のコミュニケーション行動に関する実態調査
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概要
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聾精神遅滞者のコミュニケーション行動の実態と進展の可能性について、愛知県下における精神遅滞者を対象とする全施設に、アンケート調査し、次いでその結果を確認・補填する訪問調査を行った。調査の結果と、筆者らによって行われてきたコミュニケーション行動の進展の可能性を確認する訓練および付加的な実験の結果などから、以下のことが明らかになった。(1)聴覚障害を伴う精神遅滞者は、通所施設で1.1%、居住施設で2.1%、調査対象施設外で1.5%の割合で在籍(在住)していた。(2)対象者の多くに指さしや、簡単な身振りが見られているが、これらは周囲を含めたトレーニングおよび日常での継続的な援助があれば、手話言語によるコミュニケーション行動へと進展する可能性がある。(3)処遇の特徴として、普段は手のかからない静かな対象者と考えられており、職員との日常的な関わりが少ない等の傾向が見られた。この処遇の特徴は、一方でコミュニケーション行動の進展の必要性が意識されながらも、現実的にはそれが発展しにくい原因の1つと考えられる。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1989-03-17
著者
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望月 昭
愛知県コロニー
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望月 昭
愛知県コロニー研究所
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渡辺 浩志
愛知県心身障害者コロニー養楽荘
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野崎 和子
愛知県コロニー発達障害研究所
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野崎 和子
愛知県コロニー研究所
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渡辺 浩志
愛知県コロニー養楽荘
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