聾精神遅滞者における要求言語行動の実現 : 施設職員によるプロンプト付き時間遅延操作の検討
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概要
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2名の施設居住の聾精神遅滞者における要求言語行動の獲得に関し、施設での日常生活における般化と維持を中心に検討した。対象者はすでに訓練室場面で、書字、サインを用いた要求言語行動を獲得している。当研究では、これまで訓練した言語的表現が、日常での「ちり紙要求」という特定の要求場面で、職員によるプロンプト付きの時間遅延操作によって生じ、また維持されるかについて、その操作の導入期を職員間で系統的にずらすマルチ・ベースラインの手法を用いて検討した。観察は、職員に対する質問紙をもとに、要求の絶対数、言語的表現による要求の比率、および職員による操作の実行率といった測度で約2年間なされた。その結果、プロンプト付きの時間遅延操作は言語的表現を促しかつ維持すると同時に、1名の対象者では、そうした新たな表現を促す職員に対して、従来どおりの方法をとる職員と同等あるいはそれ以上の頻度で要求することが確認された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1988-06-10
著者
-
望月 昭
愛知県コロニー研究所
-
渡辺 浩志
愛知県心身障害者コロニー養楽荘
-
望月 昭
愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所
-
野崎 和子
愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所
-
野崎 和子
愛知県コロニー研究所
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