主観的メタ情報を利用した顔画像に対する個人嗜好推定の研究

概要

論文の詳細を見る
本研究では,特定のユーザに対して,画像などそのユーザが好むと思われる嗜好を推定するシステムを考える.従来にも検索・推薦の手法は提案されていたが,それらのほとんどがタグによるメタ情報が使われてきた.このようなシステムにおいて用いられるタグは,データを明示的にあらわすキーワードであることが多い.しかし,このような明示的なタグを使うだけでは感性のように言葉に表現することが難しい情報を基にした推薦を行うことが難しい.そこで本研究では,複数人のアンケート結果を用いることによってデータに対する主観的な情報を付加し,これを擬似的なメタ情報として扱うことで推薦の精度向上を目指した.具体的には32枚の顔写真を用いて,擬似的なメタ情報を特徴空間としたK-NNによる画像クラス分類器を用いた予備実験を行った.実験によりシステムにおけるクラス分類の精度が高くなるようにメタ情報の特徴次元の重み付けによる圧縮をし,ユーザがどの特徴量に重点を置いているかを推定した.その結果,データに対する主観情報を使用することにより,顔のさまざま部分の長さにおける比の特徴ベクトルを直接使用するよりも良好な結果が得られた.
2008-03-05