ホルスタイン未経産牛における2種類の定時人工授精プログラムへの膣内プロジェステロン製剤の併用効果(臨床繁殖学)

概要

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一牧場で飼養されているホルスタイン未経産牛群(74頭,平均14.4ヵ月齢)において,オブシンク(n=44)とエストラジオールを用いたヒートシンクプログラム(n=30)による定時人工授精(TAI)を実施し,膣内プロジェステロン製剤(CIDR)の7日間の併用効果(併用群n=36,非併用群n=38)をそれぞれのプログラムにおいて検討した.供試牛は処置時に超音波検査法により卵巣状態をモニターし,血中プロジェステロン濃度を測定した.その結果,CIDR併用群の妊娠率は対照群に比べて有意に高く(63.9%vs21.1%,P<0.01),特にCIDR挿入時に機能性黄体を持つ牛で高かった(67.9%vs13.0%,P<O.01).また,発情同期化処置7日間の中間排卵が対照群に比べCIDR併用群で抑制され(33.3%vs52.6%,P<0.05),TAI前の早期排卵も同様に抑制された(11.1%vs37.0%,P<0.05).ホルスタイン未経産牛にCIDRを併用するTAIプログラムは高い妊娠率が得られ,また初産月齢がTAI実施前に比べ,2.5ヵ月短縮され,経済的にも応用価値が高かった.
2008-03-25