長期授乳婦の骨密度に及ぼすたんぱく質およびカルシウム摂取の影響

概要

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栄養状態の良好な1年間以上の長期授乳婦(L群)25人および3ヵ月間未満の短期および非授乳婦(N群)16人について超音波法(Achilles,A-1000)による骨密度測定を行い,1年間の骨密度変化率と主要な栄養素摂取量,尿中骨吸収指標,血清アルブミンとの相互関係を分析した。骨密度変化率はL,N群とも個人差が大きく,L群ではたんぱく質摂取量と負,出産回数およびカルシウム摂取量と正の有意な関連が認められた。経産婦においてカルシウム/たんぱく質摂取比は骨密度変化率と正の有意相関を示した。また,L群では骨密度変化率は血清アルブミンおよび尿中Hydroxyproline/Creatinine (HP/Cre)比といずれも負,たんぱく質摂取量は血清アルブミンおよび尿中HP/Cre比といずれも正の有意相関が認められた。長期授乳婦の骨密度はたんぱく質摂取量が多いほど低下し,カルシウム摂取量が多いほど増加する。「日本人の食事摂取基準」において,授乳期にはたんぱく質摂取量の付加量に応じたカルシウムの付加量が必要であるといえる。