タイ国における暖地型いね科草とまめ科草の乾物生産とその季節的変化
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概要
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タイ国Pakchong Forage Crop Stationにおいて,暖地型のいね科草およびまめ科草の50草種・系統を導入,栽培し,その乾物収量と季節生産性について調査を行なった。最高の収量をあげたのは1973年および1974年の両年を通じ,ネピアグラスであった。1974年の多肥区における乾物収量は75.6ton/haであり,熱帯草地における多収穫の一つの記録が得られた。ハイブリッドネピアグラス,ジャラギュアグラス,ブッフェルグラス,ローズグラスおよびPanicum属の草種のギニアグラス,カラードギニアグラス,ブルーパニックおよびグリーンパニックが多収であった。ほふく型の草種ではシグナルグラス,パラグラスとアラバンXが高収量を示した。これらの草種は1974年において20ton/haをこす乾物収量をあげた。まめ科はいずれも低収量であり,乾物収量で10ton/ha以上をあげたのはグリシンのみであった。一般的には多収の草種程多肥によく反応したが,草種による差が大きく,多収草種の中でも施肥に対する反応が小さく,また殆んど認められないものもあった施肥によっていね科草,まめ科草ともに粗蛋白質含有量は増加した。4〜5月および9月〜10月をピークとする季節生産性の山がみられ,それと降水量の分布の間に密接な関係が認められた。水分の供給が十分であれば,暖地型のいね科およびまめ科草は,ひんぱんな利用によく耐えることが明らかにされた。
- 日本草地学会の論文
- 1979-01-31
著者
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