暖地型牧草の発芽特性
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概要
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1972年4月から1974年4月まで2年間タイ国パクチョン牧草試験場において,暖地型牧草種子の発芽に関する調査を行い次のような結果を得た。1.いね科6草種,まめ科7草種を供試し,室内に保存しておいた種子の休眠が覚せいする様相を長期にわたって調査した。その結果,発芽率および発芽速度から供試草種を次の3グループに分類することが出来た。(1)発芽率が高く,発芽速度の速いもの:ソルガム,プルーパニック,コロンブスグラス,ドリコス,セントロシーマ。(2)発芽率は低いが,発芽速度は速いもの:アラバンX,グリーソパニック,ギニアグラス(1971年産),アルファルファ。(3)発芽率が低く,発芽速度のおそいもの:ギニアグラス(1972年産),ルキーナ,タウンスビルスタイロ。2.まめ科草の休眠はドリコスを除いて硬実に起因することが,種子を硬実処理することにより明らかにされた。また硬実を主因とする休眠の破れかたによって,次の4段階に分類できた。(1)全く休眠のみとめられない草種:ドリコス。(2)休眠が連続的に徐々に打破される草種:タウンスビルスタイロ,セントロシーマ。(3)休眠が短い周期をくりかえしながら打破される草種:ルキーナ,アルファルファ。(4)休眠が比較的長い周期をくりかえしながら打破される草種:サイラトロ,ペレニアルソイビーン。3.まめ科草種子は高温処理(80℃ hot water)にょり発芽率が高まり,発芽速度も速くなった。低温処理の効果も明らかで,処理温度が低い程効果が大であった。いね科草ではまめ科と比較して効果が小さく,めいりょうな結果が得られなかった。
- 日本草地学会の論文
- 1979-01-31
著者
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