グレインソルガムの栽植密度と収量
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概要
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グレインソルガムの栽植密度と収量の関係,特に茎の変異と収穫指数の関係を検討するため,分けつ力の異なる品種を用い,5,10,20,40,80個体/m^2の区を設けて試験を行った。1)収量は一般に密度が高くなると増加したが,増加の程度は高密度になるほど小さくなり,NK 129の80個体/m^2では40個体/m^2よりかえって減収した。なお,地上部全乾物重はほぼ収量と同様の密度反応であった。2)収穫指数はNK 129では密度が高くなるほど低下し,特に20〜80個体/m^2間での低下が著しかった。一方,Mini Milo 54 BRでの傾向はNK 129の場合と異なり,収穫指数は20個体/m^2が最も高く,それより密植,または粗植になるほど低くなったが,分けつを除いて主稈だけでは算出すると20個体/m^2以下の粗植でも収穫指数は低下しなかった。3)主稈についての収穫指数の変異は粗植では小さかったが密植では大きくなり,その広がりは収穫指数が小さい茎の増加によっていた。それらの茎は一般に止葉高,稈長,茎葉重が劣っており,群落構造に対する止葉高,稈長の相対的高さが低いために光条件が悪化して収穫指数が低下したものと考えられる。4)分けつ茎には主稈と同じ位収穫指数の高い茎と明らかに低い茎があったが,後者の中には十分な生育量を確保していたものも多かった。5)密植による収穫指数の低下に対し,弱小茎発生の影響は本試験ではあまり大きくなかった。
- 日本草地学会の論文
- 1978-10-31
著者
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