脳波及び近赤外線分光信号におけるカオス・フラクタル性とロボット制御への応用

概要

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BCI(Brain Computer Interface)は人間の手足等の運動器官を用いず,生体信号のみでマン・マシンインタフェースを実現する技術である。本報告では,非侵襲で測定した脳波(EEG)のみを用いてヒューマノイドロボットを制御する,脳直結型制御システムにおいて特に高い認識率を得ることができたタスクについて調べる.脳波の特徴解析には従来手法におけるα波,β波等の特定の周波数成分ではなく,すべての周波数帯域を利用できるフラクタル次元を用いる.また,近赤外線分光法(NIRS)信号のLyapunov解析とタスクによるカオス・フラクタル性の変化について調べ,上記の研究成果に基づき,脳波及び近赤外分光信号におけるカオス・フラクタル性とロボット制御への応用の可能性を検討する.被験者のロボットへの指令はフラクタル次元解析手法を用いて,「停止」と「動作」,「右」,「左」に関して80[%]以上の認識率を得ることができた.また,酸化ヘモグロビン濃度変化の最大Lyapunov指数は安静時と課題遂行時で変化する傾向が見出され,NIRSを用いたロボット制御実現の可能性が示唆された.
社団法人電子情報通信学会の論文
2007-10-12