近赤外光トポグラフィのための対話的時系列脳機能信号解析システム

概要

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本研究では,現象をシミュレートし,実データに対して,ノイズ除去、周期・次元解析等の信号処理を組み合わせ,タスクと脳賦活との関連性を検証できる対話的時系列脳機能信号解析システム(IBFA)の開発を行った.本システムの検証として,大脳における血流の変化を模擬した信号を計算機により発生させ,シミュレーションし,聴覚野における血流変化信号について解析を行った.その結果,シミュレーションでは,大脳における血流の酸化・還元ヘモグロビンの濃度の変化信号(NIRS信号)に含まれるタスク成分の自己相関後の波形が右下がりになっていればトレンドが含まれていることが推定できた.実データの聴覚タスクに対して脳賦活検証を行った結果,聴覚野・運動野近傍のタスク周期成分が現れた.また,長期記憶性を示す次元値αは,それぞれ0.39,0.44となり,他の部位に比べ高くなった.これらのことにより,本対話的時系列信号解析システムは,現象のシミュレーションと実データの信号解析手法を適宜組み合わせることで,より詳細に観察できることが検証できた.
2008-05-20