カラマツ、トドマツおよびシラカンバの各部位から製造した未晒クラフトパルプの性質
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概要
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北海道における主要なパルプ原料樹種であるカラマツLarix kaempferi),トドマツ(Abies sachalinensis)およびシラカンバ(Betula platyphylla)を構成する梢,枝,幹,株および根の5種類の部位から,未晒クラフトパルプを製造し,製紙用パルプ原料としての適性を検討した。それぞれの構成部位から製造した未晒クラフトパルプの収率,化学組成および物理的性質から判断して,カラマツとトドマツの枝以外の部位は,製紙用パルプ原料として,従来,使用されている幹にほぼ匹敵する有望な繊維資源であると思われる。一方,これらの樹種の枝からは,収率が低く,リグニン含有量の多い,比引裂き強さの劣ったパルプしか得られなかった。ただし,シラカンバの枝からは,幹パルプの値にほぼ匹敵するパルプが得られた。単独では劣った性質を示した針葉樹の枝は,他の構成部位と混合蒸解することにより,品質の改善が可能になると思われる。これらの結果から,従来,ほとんど利用されていなかった樹木の構成部位は製紙用パルプ原料として,有効に利用できると判断された。
- 帯広畜産大学の論文
- 1988-11-30
著者
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