十勝地方の魚類体表における豚丹毒菌の分布について

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概要

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われわれは,寒冷な北海道十勝地方に産する魚類の体表粘液中における豚丹毒菌の分布程度を調査し,その分離菌の性状を検索した結果,次のような所見を得た。(1)10種の魚類各4例ずつ,計40例のうち23例(57.7%)に豚丹毒菌とみなされるものを検出した。(2)魚種別にはカジカ,タラ,アブラコおよびイカの4種は全例に,オヒョウは4例中3例に,シシャモは4例中2例に,チカおよびガヤの2種は各4例中1例に菌の存在を認め,アカハラおよびカレイよりは検出されなかった。(3)これらの魚由来の分離菌は生物学的性状および凝集反応において,病豚由来の菌株と差異が認められないので,豚丹毒菌と同定することが妥当と考えられる。(4)可溶性菌体物質を抗原とする沈降反応において,魚由来菌株は豚由来菌株と明らかに区別することができる。
帯広畜産大学の論文
1960-12-25

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