千葉県下における妊婦のB型肝炎ウィルスに関する疫学的研究
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概要
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千葉県下の13,000名の妊婦血清についてHBsAg,HBsAb陽性率,及びHBVのsubtypeについて検索したところ次の結果をえた。1)HBsAgの陽性率は1.5%であり,HBsAbの陽性率は12.0%であった。HBVのexposure markerは13.5%であり,東京に比して低く,千葉県は東京都よりもHBVによる汚染度が低いことが判明した。2)HBsAg陽性率は年齢とは相関係がないが,HBsAb陽性率及びexposure markerは年齢とともに増加する傾向を認め,加齢とともにHBVに感染する機会が多くなっていることを認めた。3)HBsAb陽性妊婦は東京都に近い地区,すなわち人口の流動の激しい地区に多く,ついで内房に多い傾向を認めた。一方,HBsAg陽性妊婦は,抗体陽性妊婦同様,東京に近い地区に多い傾向を認めたが,他に,館山,鴨川にも多いことが判明した。4)HBsAg,HBsAbの比によって観察した結果,館山,鴨川等の地区においてはHBsAg陽性妊婦が多いにもかかわらず,HBsAb陽性妊婦が少なく,HBVの感染には地域特異性があり,これは人口動態によるものと推測される。5)subtypeはadr51%であり東京都のそれにほぼ一致した。6)subtypeの地域分布はHBsAg陽性血清によると,ほとんどの地区においてadr優位であったが,鴨川地区においてはadwのみしか検出できなかった。HBsAb陽性血清によっても地域特異性があることを認めた。
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