滝乃川学園百年史序説 : 戦前期先行研究の検討
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概要
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本研究は、社会福祉法人滝乃川学園百年史の序説として、先行研究を検討し新たな百年史への課題を明らかにすることを目的とした。その結果、1891(明治24)年の設立直後から、沿革史的記述が始まり、第二次世界大戦以前に、創設者石井亮一の生い立ちから始まって、立教大学でのキリスト教入信、立教女学校教頭、濃尾地震孤女救済、知的障害児教育への着手、渡米研修、知的障害児施設の設立、巣鴨移転、谷保移転と云う流れが定説としてできあがっていること、創設者石井亮一の生涯と滝乃川学園史の「一体化」と言う特徴を明らかにした。次に、こうした歴史的記述は、(1)支援者、(2)教育病理学等関係者(3)キリスト教関係者、(4)社会事業関係者、(5)新聞報道及び、(6)亮一の古希祝賀、死去後の追悼記事に分けられることを明らかにし、特に、その中で、(1)支援者、(6)亮一の古希祝賀、死去後の追悼記事における資料発掘、集成が先行研究の沿革史的記述形成の大きな役割を果たしていた。こうした特徴と経過から、戦前に形成された滝乃川学園史は、(1)創設者石井亮一と事業としての一体的沿革史であること、(2)随って、石井亮一の顕彰碑的意味合いもっていることを明らかにした。そのため、今後の課題として、滝乃川学園そのものの史料の収集と分析により、滝乃川学園の成立、展開過程の解明の必要性が示唆された。
- 2007-03-01
著者
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