Look-Aheadルーティングを用いたオンチップルータの動的パワーシャットダウン(ARC-8 : 通信,2007年並列/分散/協調処理に関する『旭川』サマー・ワークショップ(SWoPP旭川2007))

概要

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オンチップルータはチップ内の通信インフラであるためスタンバイ時であっても完全に停止させることは難しく,省電力対策が進んでいるプロセッサコアと比べるとスタンバイ電力が大きい.そのため,Network-on-Chip (NoC)の動作に支障の無い範囲内でルータの各チャネルの電源を走行時にシャットダウンする手法がNoCの省電力化のために有効であると考えられる.しかし,スリープ中の回路をウェイクアップさせるには一定の遅延がかかるため性能に影響が出るうえに,スリープ操作およびウェイクアップ操作のためにエネルギーが消費されるため,短期間のスリープは逆に消費電力の増加を招く.そこで,本論文ではlook-aheadルーティングを応用し,あるルータのチャネルが将来使われるかどうかの判断を2ホップ手前のルータで行うことで,ウェイクアップ遅延を隠蔽し,消費電力の増加を引き起こす短期間のスリープを削減する.実トラフィックを用いた評価によって,提案手法は5サイクル以下のウェイクアップ時間であれば隠蔽することができ,また,転送要求が無ければ常にスリープを試みるナイーブな方法と比べて実際にスリープできる期間を増やすことができた.
一般社団法人情報処理学会の論文
2007-08-01