持久性鍛練者における回復運動時の血中乳酸消長の特性

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本研究の目的は,高い相対的強度の回復運動を負荷することによって持久性鍛練者の乳酸消長の特徴について検討することであった.対象は持久性鍛練者群である長距離選手(Endurance-Trained Men;ET)5名および対照群として比較的活発に運動している一般大学生(Untrained Men;UT)7名である.自転車エルゴメーターを用いて90%Vo_2maxに相当する3分間のMain Exercise(ME)後,70%および40%Vo_2maxの二種類のRecovery Exercise(RE)で20分間実施した.各RE時の血中乳酸を測定し,乳酸除去率Aおよび補正乳酸除去率Bを算出し,以下の知見が得られた.1)70%REにおける10,15,20分目の血中乳酸値は,ET部の方がUT部に比べ有意に低かったが(P<0.05,P<0.01),40%REIでは両群に有意な差が認められなかった.2)血中乳酸除去率Aは,70%REにおけるET群(0.2730±0.0920 mmol・l^<-1>・min^<-1>)がUT群(0.0520±0.1010mmol・l^<-1>・min^<-1>)に比べ有意に高かった(Pく0.01).40%REでは両部で有意な差は認められなかった.3)補正乳酸除去率Bは,70%REでET部(0.3770±0.08000 mmol・l^<-1>・min^<-1>)の方がUT部(0.1163±0.14416mmol・l^<-1>・min^<-1>)に比べ有意に高かった(P<0.01).40%REでは両群に差が認められなかった.4)以上のことより,本研究の持久性鍛練者が高い相対強度の回復運動でも高い乳酸除去率を示し,その値が回復運動ではもっとも効率の良い強度の乳酸除去率と変わらないほど高い乳酸除去率を示すことが指摘された.
日本体力医学会の論文
1991-04-01

持久性鍛練者における回復運動時の血中乳酸消長の特性

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