11.癌細胞の高転移性株の分離 : 免疫系による「自己・非自己の認識」と「抗腫瘍免疫の機能」を理解するための観察教育実験への利用
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概要
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免疫系による自己と非自己の識別機能と抗腫瘍免疫機能の働きを学生・生徒が理解するうえで助けとなる観察実験には,マウスの上皮系黒色腫瘍のメラノーマを用いた転移実験が有効である。そのため,B16メラノーマ細胞の亜株であるB16.C2細胞から高転移性の亜株を分離することを試みた。方法は,B16.C2細胞を細胞と同系のマウスに静脈から移植し,肺に形成された転移巣から転移活性の高い細胞を分離することによった。すなわち,5.0×10^5個のB16.C2細胞を同系のC57BL/6-bm12マウスに静脈注射し,3週間後に肺の転移巣を摘出し組織培養して転移巣を形成している細胞を得た。さらに,その細胞,5.0×10^5個をナチュラルキラー(NK)活性が欠如している同系のC57BL/6-bg/bgマウスに静脈注射し,3週間後に肺への転移巣を摘出し培養することによって高転移性の細胞が得られた。得られた高転移性B16.C2細胞は,抗腫瘍免疫に拒絶されにくい性質をもつことから,免疫系の自己・非自己の認識の観察実験や,NK活性の観察実験で活用できる。
- 2001-03-31
著者
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