6.簡易化動物細胞培養を組み入れた生命科学学生実験の試み
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概要
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クリーンベンチ(無菌箱)を使用しないで,、通常の学生実験室の実験台を使用して,無菌操作と動物の正常細胞の培養を,主として生命科学専攻生向けの学生実験に導入しようと試みた。実験は3,4回生14人が6組に分かれて,器具の滅菌,培養液の準備,マウス癌細胞の培養,マウスの胸腺と脾臓の無菌的摘出とそれぞれの細胞の初代培養を行った。1回目の初代培養実験を除いて,どの実験でも細胞培養中への微生物の混入は非常に少なく,どのグループも良い成績を収めた。初代培養実験も2回目は,1回目の経験をもとに学生諸君が脾臓の無菌的摘出操作をいっそう注意深く行い,微生物の混入は1シャーレのみであった。さらに,この実験ではほとんどのグループの脾臓細胞の培養で,細胞の分化を誘導し抗体を産生させることに成功した。実験室の入室は土足を禁止したが,室内の空気は清浄ではなく無菌操作には悪い環境であった。しかし,今回の結果は,10人以上の人数で通常の学生実験室で行うという悪い条件下でも,操作の各段階での十分な注意を払えば,無菌操作と細胞培養を基本とする教育実験を実施できることを示すと思われる。
- 京都教育大学の論文
- 1994-03-31
著者
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