看護記録の開示に対する看護者の意識調査
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概要
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背景 2000年、日本看護協会は「看護記録の開示に関するガイドライン」を作成し、患者の権利擁護などにむけて積極的に開示の推進をはかっている。患者に「見せてはいけない記録」から「見せる記録」への転換は、患者・看護師関係に少なからず何らかの変化をもたらしていると推測される。目的 診療情報の開示が進展する中において、看護記録開示についての認識を明らかにし、患者・看護師関係を考察することである。方法 対象はK府内の病院、診療所、訪問看護ステーションに勤務する看護師および准看護師に独自に開発した質問紙を用いてアンケート調査を行った。実施期時は2004年8〜9月であった。結果 調査に協力を得られたのは、1158名(回収率67%)の看護師、保健師、助産師、准看護師で平均年齢は36.5(SD:10.2)歳であった。看護記録の開示請求を経験した人は、5.9%と少なく、看護記録を見せることに抵抗感を持つ人は63.5%であった。40歳代以上の人や「患者は看護記録を見る権利を持っている」と認識している人のほうが、看護記録の開示によって患者との信頼関係や関係性が構築しやすいと答えていた。結論 看護記録の開示は、「信頼関係の崩れ」を危惧し、「安心感を与える・納得させる看護」が重要であると考えるパターナリズムタイプと「信頼関係の構築」につながり、「計画を一緒に考え・患者の主体性に働きかける」サポートタイプとに二極化していると推察される。今後は、形骸的な看護記録の開示ではなく、本質的なありようを市民/患者とともに創造していく取り組みが重要である。
- 滋賀県立大学の論文
- 2006-06-30
著者
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