超精密鏡面加工による純チタン製口腔内用ミラーの開発

概要

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歯科医療分野において,ミラーは口腔内診査や治療の際に幅広く利用されており,必要不可欠な手用器具である。近年,鏡像の明確度,安全性,操作性の向上といった観点から,金属表面を鏡面加工した直接反射式のメタルミラーが利用されるようになってきた。しかしながら,これらメタルミラーは,ステンレスを材料としたものがほとんどであり,高いアレルギー性を示すニッケルを10%程度含有するため生体安全性の問題,次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする塩素系消毒薬に対する腐食性の問題などを有しており,医療用としての利用に必ずしも適していなかった。そこで本研究では,研磨加工が難しいとされる純チタンの鏡面加工を行い,軽量かつ生体安全性の高いミラーを開発し,純チタン製のデンタルミラーおよび口腔内撮影用ミラーへ応用した。開発されたデンタルミラーに対して,表面粗さおよび反射率を測定し,市販のステンレス製デンタルミラーとの比較検討を行った。また,開発された口腔内用ミラーを利用し,歯の観察および口腔内写真の撮影を行った。本研究の結果,純チタン製デンタルミラーの算術平均粗さ(Ra)は,ステンレス製デンタルミラーと同程度の3nm以下であることが確認された。また反射率は,純チタン製ミラーはステンレス製のものと比較しやや小さかったが,どちらも良好な鏡像が得られ,臨床上での使用に問題ないと考えられた。
2006-06-30

超精密鏡面加工による純チタン製口腔内用ミラーの開発

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