エストロゲン様内分泌攪乱物質が雄マウスの妊孕能に及ぼす重要な要因かつ用量依存性の変化は,視床下部-下垂体-生殖器系で異なる(解剖学)
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概要
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ICRマウスの胎子・新生子期にエストロゲン様内分泌攪乱物質を曝露し,成熟時の雄マウスの生殖器について,曝露量とその影響を評価した.胎子の子宮内曝露(IUE)群としてジエチルスチルベストロール(DES)10μg/day/頭を妊娠マウスに皮下投与し,さらに新生子期曝露(IUE+NE)群として,新生子マウスにDES 0.1-10μg/day/頭を皮下投与した.妊孕能は対照群で100%であったのに対し,IUE群で60%,IUE+NE 0.1μg群で25%であり,IUE+NE 1,10μg群では全例不妊であった.精巣では,IUE+NE 10μg群で精上皮の非薄化,さらにIUE+NE 0.1-10μg群でLeydig細胞の低形成およびエオジンの染色性の低下が顕著に認められた.IUE+NE 1-10μg群ではLeydig細胞のアンドロゲン受容体およびエストロゲン受容体(AR, ERα)の免疫染色性が用量相反性に減弱した.さらに性成熟時の性腺刺激ホルモンおよびテストステロン分泌の低下,ならびにAR, ERα遺伝子とステロイド産生急性調節性(StAR)蛋白遺伝子の発現変化が引き起こされ,長期にわたる視床下部-下垂体-性腺軸の機能障害が示唆された.ゴナドトロピン分泌の制御は,生殖器よりもより低濃度のエストロゲン様物質で影響を受けることが示された.さらに,雄マウスの妊孕能はテストステロン濃度,特にステロイドホルモン産生の律速因子であるStAR遺伝子発現と密接に関わっており,内分泌攪乱物質がStAR遺伝子に与える影響の重要性が示唆された.
- 2006-12-25
著者
-
割田 克彦
神戸大学大学院自然科学研究科資源生命科学専攻
-
星 信彦
神戸大学大学院自然科学研究科資源生命科学専攻
-
北川 浩
神戸大学大学院自然科学研究科資源生命科学専攻
-
森 千里
千葉大学大学院医学研究院環境生命医学
-
北川 浩
北海道大学大学院医学研究科分子生化学教室
-
北川 浩
神戸大学大学院農学研究科資源生命科学専攻
-
北川 浩
神戸大学 大学院自然科学研究科資源生命科学専攻
-
菅原 照夫
北海道大学医学部産婦人科学教室
-
星 信彦
神戸大学大学院農学研究科資源生命科学専攻
-
森 千里
千葉大学予防医学センター
-
武藤 顕一郎
北里大学獣医動物学部獣医解剖学教室
-
長谷川 喜久
北里大学獣医学部
-
長谷川 喜久
北里大学獣医畜産学部実験動物学教室
-
塚原 伸治
国立環境研究所
-
武藤 顕一郎
北里大学獣医畜産学部獣医解剖学教室
-
YUE Zhan-Peng
吉林大学獣医学部組織発生学教室
-
菅原 照夫
神戸大学大学院自然科学研究科資源生命科学専攻形態機能学教室
-
割田 克彦
神戸大学大学院農学研究科資源生命科学専攻
-
森 千里
千葉大学 大学院医学研究院環境生命医学
-
北川 浩
神戸大学大学院自然科学研究科
-
塚原 伸治
国立環境研究所環境健康研究領域
-
森 千里
千葉大学大学院医学研究院
-
北川 浩
神戸大学大学院
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