角膜内皮細胞研究のための新たな実験動物としてのフェレット
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概要
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角膜内皮は角膜の透明性を維持するために重要な役割を果たしている。我々は、角膜内皮研究のための新たな実験動物モデルを開発することを目的とし、フェレットの角膜内皮の形態学的特徴を調べ、実験動物として用いることができるか否かを評価した。さらに、フェレット角膜を組織学的に解析し、ウサギおよびカニクイザルの角膜と比較した。フェレット角膜組織のフラットマウント標本を用いた免疫組織学的検討の結果、フェレットの角膜内皮細胞は角膜内皮機能に関連するマーカーであるZO-1、N-カドヘリンおよびNa+/K+-ATPアーゼを発現していることが確認された。また、フェレット角膜において、臨床的に重要な角膜内皮細胞のパラメーターである角膜内皮密度、六角形細胞率および変動係数を、臨床診療で用いられている分析ソフトウェアを用いて解析することができた。フェレット角膜内皮細胞の初代培養も可能であり、初代培養された角膜内皮細胞は生体内の角膜内皮細胞にきわめて類似した六角形細胞からなる単層構造を示し、機能関連マーカーであるZO-1およびNa+/K+-ATPアーゼを発現していた。これらの結果より、フェレットは眼科領域、特に角膜内皮研究における有用な実験動物となる可能性が示唆された。
著者
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星 信彦
神戸大学大学院自然科学研究科資源生命科学専攻
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小泉 範子
同志社大学
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北野 絢嗣
同志社大学生命医科学部医工学科
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沼田 諒平
同志社大学生命医科学部
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山崎 健太
同志社大学生命医科学部
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星 信彦
神戸大学大学院農学研究科
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坂本 雄二
神戸大学大学院農学研究科
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奥村 直毅
同志社大学生命医科学部
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駒田 孝文
千寿製薬株式会社 研究所
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北野 絢嗣
同志社大学生命医科学部
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