先天異常子牛90例の発生状況と内分泌器官

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アカバネ病非流行年の牛の先天異常の発生状況を明らかにし, その要因の1つである内分泌器官との関連を検索した.材料は1989年4月から1990年6月にかけて, 鹿児島県内各地から収集された先天異常子牛90例である.これらを器官系統別に大別すると, I群骨格・筋・関節系異常群29例, II群虚弱群29例, III群中枢神経系異常群15例, IV群多発性複合異常群8例, その他9例となった.品種別では黒毛和種が大半で, 他品種は5例であり, 性別は虚弱群と中枢神経系異常群で雄に偏っていた.難産が各群に見られ, とくに中枢神経系異常群と多発性複合異常群に多かった.出生月は各群で発生季節のずれが見られたが, アカバネ病やチュウザン病の発生はほとんどなかった.分娩予定日との関連では, 虚弱群で出生の遅延する傾向が示された.生後の発育はいずれもきわめて不良であった.下垂体, 甲状腺, 副腎の重量, 形態, 組織学的検査では, 全体として著変は見られなかったが, 中枢神経系異常群で下垂体重量の低いこと, 虚弱群で甲状腺重量の低いことが示された.母牛のアカバネワクチン接種状況は全体として38%と低かったが, 抗体陽性率は94.1%と高かった.しかし子牛では48.5%であった.チュウザンとアイノの抗体陽性率は母牛でいずれも78.4%と高く, 子牛ではそれぞれ27.9%, 44.8%と低かった.子牛の大半は初乳を飲んでいたが, 子牛への抗体移行率の低いことが示された.今後は内分泌器官の機能を検索することが必要である.
1992-03-30

先天異常子牛90例の発生状況と内分泌器官

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