ミニ豚の骨塩量および微細骨構造の経年齢的変化(実験動物学)

概要

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成長期のミニ豚腰椎における骨塩量および密度分布の評価,骨形態計測による骨の微細骨構造の評価を経年齢的に行い,その雌雄差を比較検討した.実験にはゲッチンゲン系ミニ豚の第四腰椎(L4)を用い,横断的研究を行った.ミニ豚の骨塩量の推移は,人と類似した性差と成長パターンを示したことから,ミニ豚の骨研究に対する有用性が示唆された.しかしながら,30ヶ月齢以上の成豚の腰椎における海綿骨と皮質骨の骨塩量は,著しく高い値(雌の海綿骨:399.43±26.36 mg/cm^3,雌の皮質骨:973.06±69.55mg/cm^3,雄の海綿骨:419.04±34.84mg/cm^3,雄の皮質骨:1038.81±125.72mg/cm^3)を示した.さらに,骨形態計測では,過去に人で報告されている値とは顕著に異なった値を示した.これらの結果から,ミニ豚は人よりも高い骨塩量と密な骨構造を有することが示され,骨強度も高いと推察された.従って,ミニ豚を骨研究のモデルとして使用する場合には,注意する必要性が示唆された.
社団法人日本獣医学会の論文
2004-06-25