割干し大根の乾燥及び貯蔵特性に関する研究

概要

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本研究は南九州特産の割干し大根について, 低温除湿乾燥装置による中規模の実用試験と熱風乾燥の基礎実験を行い, その乾燥特性, 効率及び経費について検討を行った.また, 乾燥試料の基礎物性となる平衡含水率, 乾燥による収縮率及び乾燥, 貯蔵中の色調の変化とカビの発生について併せて調査を行った.1.低温除湿乾燥では, 含水率の高い乾燥初期は送風量の多い除湿操作で, 乾燥後期は乾燥推進力のある低湿空気を送風する定湿操作で乾燥するのが最も効率的であった.2.低温除湿乾燥装置による乾燥経費は, 試料から水分1kgを脱水するのに必要な熱量は, 約1,200kcalであるので乾燥経費は, 乾燥製品100g当り, 約40円となった.しかし, 今回の実験では乾燥機能力に対し, 単位面積当りの処理量が少ないので, 最大効率で稼動した場合, 乾燥経費は約1/3程度まで削減可能と推定される.3.熱風乾燥での恒率乾燥速度φ_cは次式で表され, 温度による乾燥推進力(t-t_w)と恒率乾燥速度係数αの関係が明らかになった.φ_c=h_t・A・(t-t_w)/γ_w・W≒α(t-t_w)α : 0.17〜0.18(h^<-1>℃^<-1>)4.熱風乾燥でのφ_d/φ_cとF/F_cの関係より次式の実験式が求められ, 任意の乾燥条件下での恒率及び減率乾燥速度の推定が可能となった.φ_d/φ_c=1.096(F/F_c)^<0.532>5.割干し大根の静的平衡含水率は相対湿度が55%を越えると, 他の農産物と比べ, 急激に増加した.6.乾燥過程での収縮率(Y)と含水率(X)の関係は次式で示された.Y=104-0.65X7.乾燥方法の違いによる色調を調べた結果, 熱風60℃の乾燥法がもっとも優れていた.8.貯蔵条件の違いによる色調の変化は, 包装が無包装より優れ, 低温区が常温区より優れていた.9.長期貯蔵で, 色調の変化, カビの発生を防止するには, 含水率をできるだけ下げ, 低温, 低湿で保持することが望ましい.
鹿児島大学の論文
1989-03-15

割干し大根の乾燥及び貯蔵特性に関する研究

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