Escherichia coliによるTrimethylamine Oxideの還元について
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概要
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E.coliのliving cell及びresting cellを用い, trimethylamine oxideの還元について実験した結果を要約すれば次の如くである。(1)living cellによるtrimethylamine oxideの還元は菌体の増殖に比例して増加する。(2)nitrateをmediumに添加すればtrimethylamine oxideの還元は阻害され, またnitrateを添加したmediumに生育した菌体では, 無添加のそれに比べて, resting cellとしての還元反応が著しくおくれて開始される。即ち培養中還元酵素の生成が阻害されていたため, nitrateの共存しないresting cellの反応条件においてtrimethylamine oxideに対する適応に数時間を要するものと思われる。(3)caseinの加水分解液を培養基に添加すればtrimethylamine oxide還元酵素の生成を促進する。(4)caseinの加水分解液を添加することにより, nitrateによる阻害が回復され同時にnitrateの還元は減少するが, nitrateの還元そのものはcasein加水分解液の添加には殆んど影響されないから, trimethylamine oxide還元酵素の生成が促進される結果拮抗的にnitrateに対する適応が起らないものと考えられる。(5)培養の初期にnitrateを添加すれば, trimethylamine oxide還元酵素は著しく生成を阻害されるが, 中期以後の添加は影響を与えない。
- 鹿児島大学の論文
- 1953-12-25
著者
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