ソテツを用いた食品等に残存するCycasinの分析
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概要
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ソテツを用いた食品等にcycasinが残在するか否かを明らかにするため, 奄美大島等で蒐集した試料を, ポーラログラフイ及びガスクロマトグラフイで分析した.1.cycasin及びソテツ種子に見い出される遊離糖の標品について, トリメチルシリル誘導体に変換しガスクロマトグラフイで定性定量する条件を検討した.また天然試料の分析に応用するための手順を設定した.2.ソテツを用いた食品, すなわち自家製のソテツ味噌5点, その原料とする風乾ソテツ種子, ならびにソテツでんぷんについて, いずれの試料にもcycasinは検出されなかった.3.ソテツ種子を利用した玩具には, 相当量のcycasinを検出したものがあった.4.天然試料とくに微生物の関与したものでは, cycasinと類似の挙動を示すポーラログラフ波, あるいはガスクロマトグラム上のピークがしばしば見られた.このような場合は, アルカリ処理によってcycasinを分解してこれを確認する方法が有効であった.
- 1974-03-20
著者
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