千葉県北部における下総層群の収斂現象と更新世構造運動
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概要
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千葉県北部は関東堆積盆地の東縁部にあたり,分布する更新統には収斂現象がみられる.この地域の中・上部更新統は,下位より八日市場層,神崎層,上岩橋層,木下層から構成されている.八日市場層は西北西へ3/1,000で傾き,これに重なる神崎層と上岩橋層は同様に傾きながら収斂する.この収斂は侵食によるものではなく,累層構成層の薄化・尖滅により起こっている.したがって,下総層群の収斂は八日市場層堆積後から上岩橋層堆積期に徐々に進行した傾動運動によってもたらされた.また,上岩橋層基底は,東西に延びる幅約5kmの凹状部を形成し,下部河成層によって埋積されている.この凹状部は,その東縁が収斂部と一致するが,その一方で南縁の形態は木下層の上位に重なる常総粘土層の変形構造と大変よく似ている.つまり,上岩橋層堆積期には,上記の傾動運動と常総粘土層を変形させた運動の2つの要素が認められる.
- 地学団体研究会の論文
- 2003-07-25
著者
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