腎不全看護におけるQOL研究の動向と今後の課題
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概要
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本研究の目的は、わが国における腎不全看護の発展のため、慢性期医療で重要視されているクオリティ・オブ・ライフと腎不全看護に関する研究動向を分析し、必要な課題を検討することである。1990年から2004年の15年間の邦文、英文の文献を、研究目的に沿った選定基準により精選し、分析を行った。文献は、邦文34件、英文13件あり、論文数は増加傾向であった。QOL研究の傾向は、QOLの尺度開発や尺度の信頼性妥当性の検証から、信頼性妥当性が検証された尺度を使用したQOL測定、そしてQOLに関連している要因探索へと進んでいた。また、米国をフィールドにした研究のみを抽出し、その動向をみたところ、早くから検証された尺度を利用し、QOLと関連している要因探索の研究が発展していた。また、QOLを評価のひとつとしてアセスメントツールを開発する研究も行われていた。わが国においても、QOLの測定にとどまらず、QOLに影響を及ぼすと考えられる事柄に広い視点をもち、要因探索や看護介入との関係を研究していくことが必要である。また、QOLの視点をベースにした、腎不全看護のエビデンス研究やツール開発の研究も可能であると思われた。
- 日本赤十字九州国際看護大学の論文
- 2005-12-25
著者
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田中 利恵
日本赤十字九州国際看護大学
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下山 節子
日本赤十字九州国際看護大学
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阿部 オリエ
日本赤十字九州国際看護大学
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水町 淑美
テルモ株式会社,日本赤十字看護大学看護学研究科修士課程
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田中 利恵
元日本赤十字九州国際看護大学
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水町 淑美
テルモ株式会社
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