看護学実習における評価に関する文献検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
看護学実習における評価は、教育成果や学生が何をどのように学んだかを判断するための重要な教育過程であると考える。従来の評価の目的が学習者の成績の等級づけ、進級、クラス編成などに必要な情報を得ることに限られていたとの指摘もあるが、現在の看護学実習における教育評価に関する研究がどのように進められているのか明らかにした研究は存在しない。よって、本研究は、1.国内の看護学実習における教育評価に関する研究動向を明らかにすること、2.看護学実習評価の発展に必要な今後の課題を明確にすることを目的にした。研究方法は、文献研究とし、Web版医学中央雑誌Ver.4及びJDream2を使用して検索を行った。結果、以下の点が明らかになった。1.看護学実習における「評価」の研究は、この5年間で急速に進んでいる。2.看護学実習における評価の主体は、教師、学生、実習指導者、卒業生、他学生と5つに分けられ、評価の客体は、教師、学生、実習記録、実習目標、実習過程、実習指導者の6つに分けられた。3.看護学実習評価に関する研究は、教師が学生、教師が学生の実習記録、学生が実習過程を評価した研究が多かった。4.学生が実習目標を評価した研究や学生が学生自身を評価するといった、学生の自己評価に関する研究も見られた。しかし、学生の自己評価と実習成績との関連について明らかにした研究は見られなかった。5.評価の客体が教師の研究はわずかであった。6.実習指導者に関する研究は、評価の主体としても客体としてもごくわずかであった。7.実習の場が多岐に渡る看護学実習の特性を生かした教育評価の方法についての開発が必要であることが示唆された。今後の課題として、看護学実習評価において、学習者、教師、教育の管理運営者にとっての具体的な教育評価の方法の開発が課題である。特に、評価の客体としての教師に関する研究、実習指導者に関する教育評価研究の発展は急務である。
- 2009-09-30
著者
関連論文
- 看護学実習における評価に関する文献検討
- 「慢性疾患の病みの軌跡」モデルに関する文献検討 その1
- 腎不全看護におけるQOL研究の動向と今後の課題
- 看護師の「職業キャリア成熟」に影響する要因
- 博愛社における看護者雇用の実態 : 博愛社創設(明治十年)から日本赤十字社看護婦養成所設立(明治二十三年)に至るまで (奨励研究報告抄録)
- 博愛社における看護者雇用の実態--博愛社創設(明治十年)から日本赤十字社看護婦養成所設立(明治二十三年)に至るまで
- 通過障害がある食道がん患者への摂食・嚥下障害における看護 (特集 高齢者の摂食・嚥下最前線) -- (施設での摂食・嚥下障害看護)