日本語5母音の調音・音響的観測とモデルシミュレーションとの比較(音声・聴覚,一般)

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概要

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音声から発話状態を逆推定する際に直面する多意性の問題において、同じ音声波を生成可能な多数存在する発話状態は、通常の発話では均等に使われているとは考えにくい。もし、多意的な発話状態に通常の発話で出現頻度の高い領域と出現頻度の低い局所的な領域が存在すれば、確率学的な観点から逆推定における多意性の問題を抑えることができる。この仮定を検証するため3次元生理学的発話機構モデルを用いたシミュレーションを行い調音筋の収縮パターンを遍歴することにより約127000の声道形状を生成し、音響空間上で日本語5母音のカテゴリーに含まれる音響特性を持つ形状に対して多意的な発話状態の分析を行った。その結果、多意的な発話状態の分布を95%の等確率を示す共分散楕円を境界とし内側と外側で分けた場合、内側の分布は出現頻度の高い領域に、外側の分布は頻度の低い局所的な領域に相当することを示した。
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-07-13

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