高齢者におけるIT・電気機器の利用実態と特徴(<特集>高齢者支援,一般)

概要

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現代社会には多くのIT機器や電気機器が普及しており,それらの機器を使うことで,人々のQOLや幸福感は向上するとされてきた.高齢者にとっては,IT機器や電気機器は身体機能の低下を補償する役割が期待される.したがって,特に高齢期に対しては若年者よりも機器が果たす役割は大きいと考えられる.しかし,現在,高齢者のIT・電機気器の利用実態についてはあまり研究がなされていない.本研究では,第1に高齢者の電気・IT機器の利用実態を明らかにすること,第2にIT・電気機器の利用状況から高齢者を類型化することを目的とする.東京都板橋区在住の64歳以上の高齢者1,169人を対象に調査を実施した.調査内容は,まず日常生活で利用する代表的なIT・電気機器に関して,現在および過去における利用の有無およびそのレベル,利用もしくは利用しない場合の理由であった.その他に,家族構成,学歴,職歴といった基本属性と,高次な日常生活能力(老研式活動能力指標),心理的幸福感(PGCモラールスケール),自らの認知機能に関する評定等を同時に調査した.分析の結果,第1に,IT・電気機器を利用状況に基づき「家電」「準家電+ATM」「IT・デジタル機器」の3つのクラスターに分類可能であることが確認できた.また,これらの機器の利用数に差が現れる年齢がクラスターによって異なることが明らかになった.第2に,利用状況により,高齢者を「先進」「途上」「停滞」「保守」「不使用」の5グループに分類可能であることが確認できた.
2006-06-29

高齢者におけるIT・電気機器の利用実態と特徴(<特集>高齢者支援,一般)

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