四則演算の処理 : 成人に老人を加えての検討
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概要
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四則演算の数操作の処理について検討することを第1の目的とした。四則演算の加齢の影響について検討することを第2の目的とした。被験者には成人と老人の18名ずつを用いた。答えが整数となりかつ四則演算に共通して用いることができる, 一桁の数の組み合わせを刺激とした。組み合わせた数が同じ条件(同数問題)とそれ以外の条件(非同数問題)の2つに分けた。さらに, 組み合わせた2つの数を単に加算し, その数の大きさによって大小2つの条件に分けて平均反応時間を求めた。主な結呆は以下の通りであった。(a)非同数問題, 同数問題いずれの条件においても, 加減乗除すべてにおいて老人群の方が成人群より反応時問が長かった。(b)成人群の非同数問題については, 加算と乗算のみで問題の大きさの効果が得られた。しかしながら, それらの条件を除いては, 加減乗除の4条件が異なっても反応峙間に顕著な差はみられなかった。(c)老人群の非同数問題については, 加算, 減算, 乗算で問題の大きさの効果が得られたが, 除算では問題の小さい方が大きい方より長かった。さらに, 加減乗除の4条件では, 反応時間に顕著な差がみられた。以上の結果から, 成人の四則演算では, 同じ処理を仮定することが可能であった。また, 加齢の影響によって処理が遅くなることが示唆されたが, その影響は四則演算すべてに一様ではなかった。
- 日本発達心理学会の論文
- 1998-12-15
著者
-
権藤 恭之
東京都老人総合研究所痴呆介入研究グループ
-
中里 克治
岩田県立大学社会福祉学部福祉臨床学科
-
中里 克治
東京都老人綜合研究所心理学
-
石原 治
東京都老人総合研究所
-
下仲 順子
東京都老人総合研究所
-
厳島 行雄
日本大学
-
下仲 順子
文京学院大学人間学部心理学科
-
権藤 恭之
関西学院大学文学研究科
-
権藤 恭之
東京都老人総合研究所 痴呆介入研究グループ
-
権藤 恭之
東京都老人総合研究所
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