地域在宅高齢者における低栄養と健康状態および体力との関連

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本研究は, 地域在宅高齢者における低栄養の割合および低栄養と健康状態, 体力との関連について検討することを目的とした.その結果, 分析対象者1, 758名中, 血清アルブミン値3.8g/dL以下の低栄養高齢者は124名(7.1%)であり, 1)女性より男性で低栄養の割合が有意に高く, また2)子供と同居している高齢者より, 一人あるいは高齢者夫婦で住んでいる高齢者のみの世帯で低栄養の割合が有意に高かった.男性では低栄養群と正常群の間に, 趣味の活動と健康度自己評価に有意差が見られた.また, 血液生化学的所見からは, 男女ともに低栄養群で, 低コレステロール血症(<169mg/dL)と貧血(男<13g/dL, 女<12g/dL)を示す割合が有意に高かった(P<0.05).体力に関して比較した結果, 男性では正常群に比べ低栄養群では握力と膝伸展力が有意に低かった.通常および最大歩行速度の場合も低栄養群で遅い傾向があったが有意差はなかった.また, 女性では両群の間に握力, 膝伸展力, および歩行能力の有意差が見られなかった.以上より, 低栄養状態にある高齢者では, 生活習慣と健康状態が全般的に不良であり, 握力と膝伸展力が低下していることが明らかとなった.したがって, 高齢者が地域で自立した生活を営むために, 低栄養高齢者においては低栄養状態とともに体力の改善する介入プログラムは必要である.
2005-02-01

地域在宅高齢者における低栄養と健康状態および体力との関連

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