高齢者を対象とした地域保健活動におけるTimed Up & Go Testの有用性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では,地域在住の高齢者を対象としてTimed Up & Go Testを実施し,性差と加齢変化を調べた。また,転倒,活動性,健康感との関係を調べ,高齢者の地域保健活動におけるTimed Up & Go Testの有用性を検討した。対象は地域在住高齢者959名であり,平均年齢74.8歳(65-95歳),男性396名,女性563名であった。検査および調査項目は,身体機能検査としてTimed Up & Go Test,歩行速度,握力,膝伸展筋力,Functional Reach Testを実施した。質問紙調査は過去1年間の転倒状況,外出頻度,運動習慣,趣味,社会活動,主観的な健康感を聴取した。Timed Up & Go Testを5歳の年齢階級別に男女差を調べた結果,すべての年代において男性が有意に速い値を示した。加齢変化をみると男女とも70歳末満と以上の各年代に有意差を認めた。男性においては他の年齢階級間に有意差は認められなかった。一方,女性では70-74歳と80-84歳,85歳以上,および75-79歳と80-84歳の間,80-84歳と85歳以上の年代問において有意差を認めた。転倒,活動性,健康感との関係では,転倒状況,外出頻度,運動習慣とTimed Up & Go Testの有意な関係が認められた。以上の結果から,高齢者におけるTimed up & Go Testは性差と加齢による低下が明らかとなった。また,転倒,外出頻度,運動習慣と密接な関係が示され,地域保健活動の評価指標としての有用性が確認された。
- 2006-06-20
著者
-
島田 裕之
東京都老人総合研究所
-
鈴木 隆雄
国立長寿医療センター研究所
-
大渕 修一
東京都老人総合研究所介護予防緊急対策室
-
古名 丈人
札幌医科大学保健医療学部
-
鈴木 隆雄
東京都老人総合研究所
-
吉田 英世
東京都老人総合研究所疫学部門
-
鈴木 隆雄
首都大学東京 人間健康科学研究科
-
吉田 英世
東京都老人総合研究所
-
吉田 祐子
東京都老人総合研究所疫学・福祉・政策研究グループ
-
杉浦 美穂
東京都老人総合研究所疫学・福祉・政策研究グループ
-
金 憲経
東京都老人総合研究所疫学・福祉・政策研究グループ
-
吉田 祐子
東京都老人総合研究所自立促進と介護予防研究チーム
-
金 憲経
流通経済大学 スポーツ健康科学部
-
金 憲経
国立療養所中部病院長寿医療研究センター 自立支援システム開発室
-
金 憲経
筑波大学 体育科研究
-
杉浦 美穂
東京都老人総合研究所運動機能部門
-
杉浦 美穂
東京都老人総合研究所 介護予防緊急対策室
-
西澤 哲
東京都老人総合研究所運動機能部門
-
古名 丈人
国立療養所中部病院長寿医療研究センター 自立支援システム開発室
-
西 澤哲
東京都老人総合研究所介護予防緊急対策室
-
島田 裕之
東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と介護予防研究チーム
-
大渕 修一
北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
-
大渕 修一
北里大学医療衛生学部 リハビリテーション学科
-
島田 裕之
介護老人保健施設二ツ箭荘
-
島田 裕之
東京都老人総合研究所 自立促進と介護予防研究チーム
-
島田 裕之
(独)国立長寿医療研究センター認知症先進医療開発センター
-
大渕 修一
北里大学 医療衛生学部 理学療法学 専攻
-
吉田 祐子
東京都老人総合研究所地域保健部門
-
鈴木 隆雄
東京都老人研
-
大渕 修一
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター東京都老人総合研究所
-
島田 裕之
国立長寿医療研究センター認知症先進医療開発センター在宅医療・自立支援開発部 自立支援システム開発室
-
権藤 恭之
関西学院大学文学研究科
-
鈴木 隆雄
東京都老人総合研究所 介護予防緊急対策室
-
権藤 恭之
東京都老人総合研究所 自立促進と介護予防研究チーム
-
権藤 恭之
東京都老人総合研究所 痴呆介入研究グループ
-
西澤 哲
東京都老人総合研究所
-
吉田 英世
東京都健康長寿医療センター
-
島田 裕之
国立長寿医療研究センター:認知症先進医療開発センター:在宅医療・自立支援開発部:自立支援システム開発室
-
大渕 修一
東京都老人総合研究所
関連論文
- 通所ケアサービス利用者における理学療法士の配置の有無と心身機能,日常生活活動,および費用対効果との関連(平成18・19年度助成研究報告書)
- 要介護高齢者における外出と身体機能の関係
- 要介護高齢者における転倒と骨折の発生状況
- 641 側対歩(ナンバ歩き)の運動力学的分析 : 第5報・反復練習課題中の歩行比の変化(理学療法基礎系31, 第42回日本理学療法学術大会)
- 在宅訪問サービスの継続要因および訪問リハビリテーションが要介護高齢者に与える影響 : cluster randomization trialによる検討
- 地域在住高齢者の生活空間の拡大に影響を与える要因 : 構造方程式モデリングによる検討
- 訪問リハビリテーションが要介護高齢者の機能改善に及ぼす効果 : 研究デザインとベースライン調査結果を中心とした経過報告(平成18・19年度助成研究報告書)
- 要介護者のためのBedside Mobility Scaleの開発 : 信頼性および妥当性の検討
- 1194 介護負担感に関与する諸要因の関係について : 構造方程式モデリングによる分析(生活環境支援系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 317 高齢者の肥満度と習慣的な身体活動との関係(生活環境支援系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 1187 地域在住高齢者における身体組成と身体機能の関連 : 自立高齢者と要介護高齢者の比較(生活環境支援系理学療法27, 第42回日本理学療法学術大会)
- 高齢者を対象とした地域保健活動におけるTimed Up & Go Testの有用性
- 地域高齢者の前腕骨密度に関連する遺伝的・環境的要因の疫学的分析
- 特別養護老人ホーム入居者における大腿骨頸部骨折予防装具の使用に関する基礎的研究
- 地域高齢者における大腿骨頸部骨折予防装具の装着率に関する基礎的研究
- 現代医学の焦点(332)高齢者における生活習慣変容の意義と限界--生活習慣病予防と介護予防の戦略を考える
- 大腿骨頸部骨折の症例対照研究-MEDOS : ヨーロッパ諸国との共同研究- : (第2報)日本人の危険要因
- 大腿骨頸部骨折の症例対照研究-MEDOS : ヨーロッパ諸国との共同研究- : (第1報)計画と方法
- 地域在宅高齢者における運動習慣の継続と心拍数の縦断変化
- 都市部在住の高齢女性肥満者における老年症候群の有症状況および関連要因 : 介護予防のための包括的健診
- 虚弱高齢者を対象とした運動vs. 運動+栄養介入(大豆ペプチド)の効果に関する無作為化比較試験
- 957 高齢者における体の痛みが日常生活関連動作および抑うつ兆候に及ぼす影響の縦断的検討(骨・関節系理学療法28)
- 農村地域高齢者の尿失禁発症に関連する要因の検討 : 4年後の追跡調査から
- 地域中高年者の社会参加の現状とその関連要因 : 埼玉県鳩山町の調査から
- 身体的に自立した都市部在宅超高齢者における認知機能の特徴 : 板橋区超高齢者悉皆訪問調査から【第2報】
- 都市部在宅超高齢者の心身機能の実態 : 板橋区超高齢者悉皆訪問調査の結果から【第1報】
- 介護予防の行政 (特集 日本社会にとってのアンチエイジング医学)
- 転倒・転落の疫学 (特集 高齢者の転倒・転落)
- 高齢者を対象とした骨粗鬆症検診--骨密度と要介護状態の発生に関する研究 (第11回日本骨粗鬆症学会 シンポジウム 骨粗鬆症予防のための検診の役割)
- 地域在住高齢者における活動量と身体機能・IADLとの関連性
- 大都市在住高齢者における転倒経験者の転倒予防を目的とした介入プログラムの効果検証(プロジェクト研究:身体機能改善のための要介護化予防プログラム-虚弱高齢者(特定高齢者)を対象とした身体機能評価と運動プログラムの提案-健康長寿、元気長寿を目指した要介護化予防とは)
- ビタミンDの転倒予防効果 (特集 ビタミンDと骨粗鬆症)
- 健康づくりのための運動プログラム 運動プログラムの留意点 介護予防--高齢期における運動の意義 (身体活動・運動と生活習慣病--運動生理学と最新の予防・治療) -- (運動療法)
- 介護保険からみた骨粗鬆症 (特集 骨粗鬆症と寝たきり--リハビリテーションと介護)
- 運動による中高齢者の生活機能向上支援の実際(第4回)中高年における生活機能の評価法
- 高齢期の適切な日光浴は重要である (誌上ディベート 日焼けは体によいか?悪いか?)
- 運動による中高齢者の生活機能向上支援の実際(第3回)中高齢者における生活機能の維持・向上と運動機能
- 臨床医が外来で行える易転倒性把握のための身体機能検査 (特集 転倒・転落をめぐって)
- 649. 都市部在住高齢女性の尿失禁の改善を目指す運動プログラムの効果(リハビリテーション・運動療法,一般口演,第63回日本体力医学会大会)
- 長時間歩行時の下肢筋の活動状態 : [^F]fluorodeoxyglucoseを用いたPositron Emission Tomographyによる検討
- 介護予防の実際 : 特定高齢者の決定基準等の見直しと課題を中心として
- 都市部在住高齢女性の尿失禁に関連する要因 : 介護予防のための包括的健診
- 1627 地域在住高齢者に対する歩行アシストロボット使用によるウォーキングエクササイズ介入の影響(生活環境支援系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 歩行時側方傾斜外乱刺激に対する反応動態 : 高齢者と若年者の比較
- 地域高齢者を対象とした要介護予防のための包括的健診(「お達者健診」)についての研究 : 1. 受診者と非受診者の特性について
- 地域在住高齢者を対象とした転倒刺激付きトレッドミルトレーニングのバランス機能改善効果 : 無作為化比較対照試験
- 520 長時間歩行時の下肢筋の活動状態 : [^F]fluorodeoxyglucoseを用いたPositron Emission Tomographyによる検討(理学療法基礎系8, 第42回日本理学療法学術大会)
- 242 バランス機能の低下は加齢にともない加速するか?(理学療法基礎系18)
- 介護予防の視点からの高齢者の食と栄養 (第52回日本老年医学会学術集会記録) -- (パネルディスカッション 高齢者の栄養管理を考える)
- 783 地域在住高齢者における転倒耐容能力と足関節筋反応との関連(理学療法基礎系29)
- 在宅生活で離床を促す理学療法士の視点 (特集 地域の高齢者に対する理学療法士の視点)
- 450 歩行時側方傾斜外乱刺激に対する負荷応答 : 高齢者と若年者の比較(理学療法基礎系,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 1073 地域在住高齢者における身体活動量の評価に重要な因子(生活環境支援系理学療法15, 第42回日本理学療法学術大会)
- 整形外科的問題 (特集 身体障害者と高齢化)
- 高齢者の転倒関連恐怖感と身体機能 : 転倒外来受診者について
- IL6遺伝子多型と骨密度との相関
- ヒトklotho遺伝子座の全exonおよびpromoter領域におけるSNPs(cSNPs)の検索と骨代謝疾患への関与
- Sib-pair 解析法による骨粗鬆症の原因遺伝子座の同定
- 441 高齢者の長時間歩行時における下肢筋活動の特徴 : [^F]fluorodeoxyglucoseを用いたPositron Emission Tomographyによる検討(理学療法基礎系,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 107 地域在住高齢者における転倒耐容能力と身体機能の関係(生活環境支援系理学療法II)
- 要介護高齢者における外出と身体機能の関係
- 地域在宅高齢者の要介護認定に関連する栄養状態、口腔機能、運動器機能
- 1043 多施設による高齢者筋力向上トレーニングの効果について(生活環境支援系理学療法9,一般演題ポスター発表,理学療法の可能性,第41回日本理学療法学術大会)
- 地域在住高齢者における身体組成と身体機能, 運動定着, 日常的な身体活動との関係
- 痴呆高齢者の転倒予測を目的とした行動分析の有用性
- 都市部在住高齢者における介護予防健診の不参加者の特徴 : 介護予防事業推進のための基礎資料(「お達者健診」)より
- 地域在宅高齢者における血清ビタミンC濃度と運動機能との関連
- 地域在住高齢者を対象にしたビタミンDと骨密度との関係 (第9回日本骨粗鬆症学会 一般演題Highlight)
- 日本骨粗鬆症学会 第8回旭化成学術振興賞受賞にあたって この1年間の骨粗鬆症研究の概要と今後の方向性
- 介護予防の戦略と戦術--健康長寿の再生を目指して (福寿をめざすお〜きなわ健康フェスタ2007)
- 未病からみた介護予防
- 中年からの老化予防・高齢期の生活習慣改善の意義と限界
- 運動による介護予防の実践(7)虚弱高齢者と介護予防
- 骨粗鬆症の予防の実際 (特集 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン(2006年版)の読み方と使い方--エビデンスベースドプラクテイスを目指して)
- 運動療法による骨折予防効果
- 都市部在住高齢者における老年症候群改善介入プログラムへの不参加者の特性 : -介護予防事業推進のための基礎資料(「お達者健診」)より-
- 都市部在住高齢者における老年症候群保有者の健康状態について : 介護予防事業推進のための基礎調査(「お達者健診」より)
- 姿勢バランス機能の因子構造 : 臨床的バランス機能検査による検討
- 1183 地域在住高齢者におけるRCTによる運動習慣定着に対する介入研究(生活環境支援系理学療法26,一般演題ポスター発表,理学療法の可能性,第41回日本理学療法学術大会)
- 1123 デイサービス利用高齢者に対するスクワットマシントレーニングの効果 : 無作為化比較対照試験(生活環境支援系理学療法19,一般演題ポスター発表,理学療法の可能性,第41回日本理学療法学術大会)
- 1029 Chair Stand Testは何をとらえる指標か? : 通所介護を利用している高齢者における検討(生活環境支援系理学療法7,一般演題ポスター発表,理学療法の可能性,第41回日本理学療法学術大会)
- 27 地域在住高齢者の転倒経験と下肢筋力の関係(骨・関節系理学療法,専門領域研究会分科会主題口述発表,理学療法の可能性,第41回日本理学療法学術大会)
- 704 高齢者における転倒予防トレーニングが身体活動量に与える効果 : 無作為化比較対照試験による検討(生活環境支援系理学療法III)
- 高負荷レジスタンストレーニングを中心とした運動プログラムに対する虚弱高齢者の身体機能改善効果とそれに影響する身体・体力諸要素の検討
- 1662 通所リハビリテーション利用高齢者に対する9ヶ月間の個別理学療法の効果(生活環境支援系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 介護保険領域における理学療法のあり方に関する研究
- 高齢者の理学療法(第42回日本理学療法学術大会)
- 1074 地域在住高齢者における運動習慣と身体組成, 運動機能の関連性について(生活環境支援系理学療法15, 第42回日本理学療法学術大会)
- 555 地域在住高齢者における運動行動変容ステージと運動機能、身体活動量、身体活動に対する意識との関係(理学療法基礎系23, 第42回日本理学療法学術大会)
- 高齢者の歩行と転倒 : 疫学的調査から(転ばぬ先のバイオメカニズム)
- 820 地域在住高齢者の長期運動継続による連動機能の加齢効果に及ぼす影響について(生活環境支援系理学療法28)
- 106 高齢者におけるTimed Up&Go Test(改訂版)の有用性(生活環境支援系理学療法II)
- 757 高齢者における疼痛と身体機能・活動性・心理状態との関係(生活環境支援系理学療法17)
- 766 介護予防にはハイリスク戦略とポピュレーション戦略のどちらが有効か(生活環境支援系理学療法V)
- 介護予防プログラムと理学療法
- 高齢者リハビリテーションプログラムの勘所 (特集 高齢者へのリハビリを見直そう--もう「リハビリもどき」とは言わせない!) -- (事例1 プログラム開発)
- シンポジウム 自治体における介護予防事業の取り組み (日本健康科学会第2回学術大会)
- 筋力増強運動による介護予防・リハビリテーション効果 (特集 介護予防動向--理学療法士はどうかかわるのか)
- 介護老人保健施設におけるCVA患者の理学療法
- 長期ケア施設に転倒予防のためのリスクマネジャーを導入した効果