主婦の住生活における時間と空間の利用
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概要
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住生活において大きな役割を担っている主婦が住まいの中でどのような住生活を行っているのか住空間と住生活行為時間との対応関係を実態調査を通じて明らかにした。その結果を要約するとつぎのようになる。1)主婦の一日の住生活行為時間は,生理的生活行為時間が最も多く586分,次いで社会的・文化的生活行為時間が365分,収入労働的生活行為時間245分,家事的生活行為時間245分の順であった。主婦の住生活行為時間は全体的に拘束時間が少ないために睡眠を除いては全体的にゆとりが見られる。特に食事と教養娯楽の時間にそれがよく現われている。家事的生活行為時間の減少の要因は家事の省力化,外部サービス化の進行,子供数の減少といったことが考えられる。2)主婦の一日の住空間内での動線頻度は居住室数と家族構成によってかなり影響をうけることがわかった。全通過頻度をみると居間と食堂の間の通過頻度が最も高かった。居間は住まいの中の中心的役割を果たすので他の部屋との連絡がよい位置にあるものと思われる。居間の中を人の動線が交錯するのは望ましいことではない。2番目に通過頻度の高いのは食堂と台所であった。ダイニング・キッチンは食事の用意や後片付けなどの作業が能率的に行われるためと思われる。3番目は居間と食堂と台所の間の通過頻度が高かった。リビング・キッチンは居間と炊事のスペースが一緒になっている関係で幼児の面倒をみながら炊事をする主婦の多いことがわかった。居間,食堂,台所それぞれの部屋をいろいろな目的で組み合わせ兼用していることがわかった。間取りは,そこに住む人がどのような住生活を営むかを端的に表現するもので,どのようにきめたらよいかは各人各様の希望がこれにたくされている。家事についやす労働は,なるべく能率化して動線の短縮をはかることが望ましい。居間におけるだんらんは,各自の室でのひとりの意識から集団の意識が醸成される住空間として,社会的にのびていく拠点であることがわかった。
- 島根県立大学短期大学部の論文
- 1990-03-30
著者
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