女子の体型とスカートに関する研究
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概要
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本学学生120名を対象にして,下半身寸法に関係のある部位の計測を行い,計測値,計算値を用いて体型および形態を観察し検討を行った。おもな結果は次のようである。1)A群・B群・C群を比較すると,各項目とも僅かではあるが年々優位を占め,長育,周育とも1年間の違いによってもはっきりと体位向上の顕著さが現われたようである。2)標準偏差はほとんどが減少しているということは,身体的に個人差が少なくなって順調に発達している人が多いことを示している。3)腰部は胴囲から腹部へ,また殿部にかけての筋肉や皮下脂肪の沈着状態によって形態的個人差が著しいことがわかった。4)被検者の下半身の腰囲,胴囲の差においては20cm〜32cmまでの分布がみられたが25cm差が最も高率を占めた。5)2項目の組合せによる体型分類では4体型の分類がみられた。6)被検者は正常に近い体型が全体の約70%を占めた。7)各社のサイズのH・W差は,ミスサイズにおいては28cm差が多く,被検老中高率を占めた25cm差のものはなかった。ミセスサイズは,各社基準とする寸法がさまざまであった。8)各項目の相関については,項目のすべてが0.6以上の係数を示し,被服構成時のパターン作図に利用することができると推定される。9)ローレル示数と等身示数より,被計測者は普通体で調和のとれたプロポーションの者が多かった。10)市販パターンは製図を引く手間を省き,縫製も簡単であるが,デザインの種類が少ないということがわかった。11)寸法選択を誤らなければ,市販パターンの適合度は高い。適合度をより高めるために,仮縫の技術を身につけることが重要である。以上のことから体位の向上が著しい若年層の最近の体型を把握するための手がかりを得ることができた。さらに今後もこの資料を基に計測を続け,年齢範囲も枠を広げ中年層の計測実態と,それとの比較が今後の研究検討されなければならない問題である。終りに,計測の被検者として,ご協力いただいた本学女子短大生の皆様に感謝いたします。
- 島根県立大学短期大学部の論文
- 1992-03-30
著者
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