北西太平洋で採集されたスジイカおよびヤセトビイカ稚仔の形態について
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概要
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小笠原周辺海域および四国沖からフィリピン海で採集された, 外套長1.4∿12.4 mmのスジイカ稚仔53個体と, 外套長2.4∿5.4 mmのヤセトビイカ稚仔47個体を用いて記載を行った。スジイカ稚仔は眼胞上に1個, 直腸上中央に1個の発光器をもち, それらの出現時期は外套長4.0 mmであった。また融合触腕は, 外套長4.0 mmで分離が始まり, 外套長8.0 mmで完全に分離する。融合触腕指数の平均値は0.70±0.28 (S.D.)で, 融合触腕先端の吸盤は側部の2個が中央の6個よりやや大きく, 中央の吸盤に対する側部の吸盤の大きさの平均は, 1.57±0.14 (S.D.)であった。ヤセトビイカ稚仔は眼胞上に1個, 内臓上に2個の不等大の発光器をもち, それらの出現時期は外套長3.0∿4.0 mmであった。また融合触腕の分離は外套長2.5 mmで始まるが, 本研究では完全に分離した個体はなかった。融合触腕指数の平均値は0.43±0.10 (S.D.)で, 融合触腕先端の吸盤は側部の2個が中央の6個より顕著に大きく, 中央の吸盤に対する側部の吸盤の大きさの平均は, 2.09±0.01 (S.D.)であった。
- 日本貝類学会の論文
- 2002-01-31
著者
-
土屋 光太郎
東京水産大学資源育成学科
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瀬川 進
東京水産大学資源育成学科
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土屋 光太郎
東京海洋大学海洋科学技術研究科無脊椎動物学研究室
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土屋 光太郎
東京海洋大学
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瀬川 進
東京海洋大学海洋科学技術研究科無脊椎動物学研究室
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齋藤 和範
Asahikawa University
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若林 敏江
Tokyo University of Fisheries
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土屋 光太郎
Tokyo University of Fisheries
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瀬川 進
Tokyo University of Fisheries
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