<調査報告>4.6.調査報告 : 小笠原海域の漸深海底から採集された有殻軟体動物(4.調査航海報告)(第二部 : 神鷹丸航海調査報告 : 平成13年度期間平成13年7月〜平成14年3月海域日本近海及び西部太平洋)

概要

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熱帯太平洋域の漸深海性貝類相については,近年,パリ自然史博物館のMUSORSTOM Expedition (Crosnier and Bouchet, 1991; Bouchet, 1995; Bouchet and Marshall, 2001)などによって急速な勢いで見直しが進められており,多くの新種,新記録種が確認されている。浅海域をのぞき,熱帯太平洋域の貝類相についてはSiboga Expedition, Deutch Teefsee Expeditionなどによって,その一端が明らかにされているものの,オーストラリア周辺や日本近海などに比べるとその解明の度合いはきわめて低いといえる。日本近海における漸深海性貝類相はOkutani(l972,1975),土田ら(1990, 1991, 1993,)どによってその概要は明らかにされているものの,小型種の精査や,特に亜熱帯域についてはほとんど手付かずの状態にある。本研究では伊豆小笠原諸島の南端である,小笠原諸島海域の漸深海性の貝類相を明らかにし,日本沿岸の温帯域とマリアナ,フィリピンなどの熱帯域につながる貝類相の遷移・連続性を評価し,特に,外洋性島嶼である小笠原の生物地理学的位置付けを考察することを目的として行った.
東京海洋大学の論文
2003-03-28