実生活上の認知活動をどう捉えるか : 障害児者を対象とした研究への、マイケル・コールによるフィールドワークの手法の応用可能性について
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概要
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本稿では、筆者の留学を受け入れてくれたマイケル・コールの研究について、彼が現在おこなっている研究活動をフィールドワークとその方法を中心に紹介すること、その上で、障害児者を対象とした研究に応用する際に考慮すべき点について若干の議論をすることを目的とした。コールは、第五次元という名の子どもの認知発達に関する活動システムを組織し、それらをフィールドワーク的な手法を用いて分析し、学生と子どもたちとの相互作用のあり方や、施設間での認知発達の違いなどを明らかにしていた。彼のフィールドワーク的手法を障害児者の研究に応用する際には、神経心理学的検査や課題などによる分析と併用すること、実生活上における様々な状況において生じる認知活動に焦点を当てることが必要であると思われた。また、対象者と道具、あるいは他者との間に生じる相互作用を新たに分析の視点に加えることが重要であると思われた。
- 東北文化学園大学の論文
- 2004-03-31
著者
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