鉢栽培における培養土と施肥に関する研究 : 第3報かん水方法が肥料成分の溶脱に及ぼす影響

概要

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同一用土(田土:腐葉=7:3混合土)を用いてかん水方法,かん水間隔の相違による施肥成分の動向を検討した.pHは全体として実験開始後1ヵ月まで低下しその後上昇する傾向を示した.かん水間隔によって大差はなく,肥料間では速効性肥料区より緩効性肥料区で高く,有機質肥料区は高いpH値を維持した.窒素は全溶脱水量が一定の場合,速効性肥料および緩効性肥料でも全期間中に100%溶脱されたが,かん水間隔がせまい程前期(1ヵ月)に溶脱する割合が多くなった.かん水時の溶脱水量一定の処理も同様の傾向であったが,溶脱量は全溶脱水量一定処理よりも少なかった.NH_4-Nは40日目でほぼ出つくし,その後はNO_3-Nが主体となり,緩効性肥料区では約70%がこの形態で溶脱した.有機質肥料の場合はいずれの場合も溶脱率は5割に達しなかった.リン酸は大部分土壌に吸着され,ほとんど溶脱しなかった.カリの溶脱は窒素溶脱量に比較し施肥に対する溶脱比が小さく,かん水間隔を広げるほど溶脱率は減少した.溶脱水のカチオン・アニオンのバランスはかん水方法のいかんにかかわらず一定で,その値は1:1(r=+0.994)であった.
千葉大学の論文
1975-03-15