Eosinophilic cellulitis (Wells' syndrome)の1例(症例報告,<特別企画>「好酸球疾患」)

概要

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症例は42歳の女性。初診の2か月前より手指に〓痒を伴う紅斑が出現し,全身に拡大した。皮疹は浮腫性の紅斑から始まり,同部に水疱様皮疹が生じた。後に紅斑は融合し,板状の紅色局面を呈した。病理組織上,真皮のflame figureを多数伴う,び慢性で稠密な好酸球浸潤を認めた。多臓器障害を認めず,末梢血の好酸球増多を伴っていた。以上の所見からEosinophilic cellulitis (以下ECと略)と診断した。副腎皮質ステロイドの内服により一時的に紅斑は消退したが,減量にて再燃を繰り返した。末梢血の好酸球数,及びEosinophilic cationic protein (以下ECPと略)値とIL-5値は病勢に一致して増減した。ECの診断は,常にHypereosinophilic syndrome (以下HESと略)との異同が問題になるが,全身状態に加え,発疹の臨床および組織像が鑑別の鍵となる。またこの疾患の特徴である好酸球の活性化が病変部局所で見られるため,病初期における病態の把握が重要であると考えここに報告した。
北里大学の論文
2003-04-30